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東野圭吾『幻夜』を読んだ感想|美冬の正体は『白夜行』の雪穂と同一人物なのか?【ネタバレ注意】

東野圭吾の『幻夜』を読んだので、感想をかきます!

東野圭吾の『幻夜』のあらすじ

おまえは俺を殺した。俺の魂を殺した――
1995年、阪神淡路大震災。その混乱のまっただ中で、衝動的に殺人を犯してしまった男。それを目撃していた女。二人は手を組み、東京に出ていく。女は、野心を実現するためには手段を選ばない。男は、女を深く愛するがゆえに、彼女の指示のまま、悪事に手を染めていく。やがて成功を極めた女の、思いもかけない真の姿が浮かびあがってくる。彼女はいったい何者なのか――謎が謎を呼び、伏線に伏線が絡む。驚愕のラストシーンまで一気呵成の読みごたえ。ミステリーの醍醐味にあふれた傑作大長編。あの名作『白夜行』の興奮がよみがえるミリオンセラー。


引用:Amazon内容紹介(幻夜 (集英社文庫)

東野圭吾『幻夜』を読んだ感想

「白夜行」の続編というか、似たストーリー展開の話といった感じです。
しかし続編ではないと言い切れないのもまた味わい深い・・・


大震災で家族を亡くした女性、美冬が計算高く成功を手にするというのが本筋です。
美冬のためにあれこれ手を打つ主人公の立場に立つとなんとも後味の悪い展開でした。


美冬は「周りの人間は利用するためにある」と思っているようなふしがあって、主人公にもその考えを打ち明けるのですが、美冬は仲間である主人公すらどこまでも利用するんですよね・・・


邪魔な人物を主人公に殺させるために、「主人公の弱みを握っている男」と信じ込ませるあたりが鳥肌ものでした。
こわすぎます。

美冬の正体は『白夜行』の雪穂と同一人物なのか?

「幻夜」が「白夜行」の続編なのかどうかがはっきりしないのは、美冬の正体がラストでも明かされないからです。
東野圭吾は明言することを避けたようですね。


美冬の正体として考えられるのは2つ。

・震災前の美冬のまま。雪穂の店で働いていた。雪穂は震災で死亡。


・雪穂。震災で死亡した美冬と入れ替わった。


個人的には、美冬は雪穂とは違う人物(幸穂の店で働いていた女性)なのではないかなと思っています。
「震災前の美冬」は「震災前の雪穂」の生きざまを崇拝していたようですし。
美冬の言動からは「雪穂なのか?」と思わしきものもありますが(「警察には妙に鼻のきくやつがいる」など)、美冬が雪穂からききかじったセリフを引用している可能性があるからです。


美冬の顔立ちが変わっている(卒アルの写真と違う)のは、雪穂と入れ替わっているからではなく、幸穂と海外に行った際に整形した可能性が高いのではないでしょうか?
美冬が社長夫人になってから頻繁に整形を繰り返していること、社長も「これまでも何度も整形しているのでは?」と感じていること、そしてなにより美冬が「美」に興味をもっていることからそう考えられます。


雪穂はもともと美しい顔立ちなので、自分の顔立ちや「美」に興味を持てないのではないかなと思います。
美しいことそのもので辛い思いをしていますしね・・・


そしてなにより、「白夜行」の雪穂と美冬はやっていることは同じようで全く違うからです。
雪穂にはパートナーへの愛情が感じられましたが美冬は・・・ただの悪女です。
幸穂はこんな女じゃない!!という個人的な思いが美冬=雪穂じゃない説の一番の理由かも。

東野圭吾『幻夜』を読むと『白夜行』が読みたくなる

とはいえ、『白夜行』を読んだのはずいぶん前なので記憶が補正されているのかもしれません。


どこまでもかなしいラストにもう一度浸りたいなとおもいます。

1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りする。被害者の息子・桐原亮司と、「容疑者」の娘・西本雪穂―暗い眼をした少年と、並外れて美しい少女は、その後、全く別々の道を歩んで行く。二人の周囲に見え隠れする、幾つもの恐るべき犯罪。だが、何も「証拠」はない。そして十九年…。息詰まる精緻な構成と、叙事詩的スケール。心を失った人間の悲劇を描く、傑作ミステリー長篇。


引用:白夜行 (集英社文庫)

東野圭吾『幻夜』を読んだ感想まとめ

どうしても白夜行と比べてしまう作品でした。
美冬の計算高さを堪能するのはおもしろいのですが、ラストがどうも・・・
最後まで気に食わない女だなぁと感じてしまいます。


お気に入り度:★★☆☆☆
読み返したいか?:NO